コラム 【3月号】
● 今月のテーマ 〜 意思を貫く 〜
 いよいよ2020年度の締めくくりの月となりました。今年度は「コロナ」に何をするにも邪魔をされ、心残りな1年でしたね。尤も、時間に追われずにじっくりと自分に向き合えた事は、収穫だったと思います。

 私事で恐縮ですが、そんな最中に姉(洋画家)が亡くなり、その遺作が大量に私の手元に残されました。そして、姉が所蔵していた父(清水崑)の作品も私の手元に引き取りました。音楽家は形では残りませんが、ご承知のように絵描きは自分の軌跡を形で残します。その品々をまじまじと眺めていると、作者の生きざまが読み取れますし、伝わってきます。今まで、珍しくもなく目に触れていた馴染みの作品の一つ一つに、歴史とメッセージが感じ取られて、不思議な感動を覚えています。

 父にしろ、姉にしろ、年代に応じて表現したいことを追求していたことが、今回とてもはっきりと理解できたように思います。生涯かけて、自分の目指す目標を模索し続けながら、大好きなお絵描きを続けていたのですね。私も、負けずにこれからがスタートと思って、到着点を目指して日々を過ごして行こうと心改めています。

  新年度はワクチン接種もスタートし、少しは安心して仕事が進むことでしょう。コロナ期間中にプラスになった事を整理し、前に進みたいと思います。コロナ対策では、皆様のご理解ご協力を賜り、本当に有難うございました。定成淡紅子
リトミック豆辞典
音楽を教えていること… 脳科学の発達により、音楽を処理する機能について、脳の中のどの部分を使っているかもわかるようになってきました。音を聴く最初の段階、音の知覚と分析は耳の近くにある「聴覚皮質」で。その少し前にある「感覚皮質」では楽器演奏と踊りからの触覚のフィードバックを。このすぐ前の「運動皮質」で動く、足で拍子をとる、踊る、楽器を演奏するなどの働きを受け持っています。そしてこれらの機能を使い音楽を聴いたり演奏したりしています。嬉しい、楽しい、悲しい、不安などいろいろな感情とともに音楽があると、喜びが何倍にもなったり、悲しい気持ちによりそう音楽により慰められたりします。このように音楽と共に豊かな心で過ごしていただきたい、そのお手伝いができれば、と思っています。
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