コラム 【2月号】
● 今月のテーマ 〜 ことばの詩心 うたごころ 〜
 NHKアナウンサーだった中西龍(りょう)さんの事が書かれた記事を読みました。心に響かない言葉が毎日の様にテレビから流れ、寒い思いをしている身としては、成る程…と合点がゆきました。以下抜粋です。

 中西さんは放送に詩心(うたごころ)を添えたいと思っていた。NHK「にっぽんのメロディー」(1977~1991)冒頭の決まり文句は、詩心たっぷりのコメントとして、今も記憶に残っている。 『精魂込めて』。中西さんのことば遣いは、正にそれだった。一字一句をあだやおろそかにしない。放送で紹介するお便りも、いわゆる「読み流し」などもってのほか。うやうやしく押し頂くように読んでいる事が、音声からわかった。 中西さんが大切にしていたのは良寛の言葉「すべての言葉はしみじみというべし」。相手の立場に心づかいがないと、しみじみと言えない。自分の心がやさしさに充ちていないと、しみじみと言えない。沈黙の値打ちを知っていないと、しみじみと言えない。

 簡単な事を言うのに理屈っぽく聴こえる人には、その話し方に音楽がないから。難しいこともやさしく味のある話し方をする人には音楽がある。心に残る話し方には、独特のリズム、音楽がある。それも「騒々しくない程度に際立つ音楽だ」と、中西さんは言う。魅力t的な話には、相手を喜ばせたい、飽きさせたくない、程よいサーブス精神がある。上手な話し方はない。誠実な話し方はある。
中西さんこそ、誠実な話し手であった。言葉を慈しむ話し手であった…(sada)
リトミック豆辞典
音楽を感じている時の脳… 現在の脳科学の分野では、芸術や音楽が右脳、言語や計算は左脳という考え方は少し古くて、最新の研究では音楽が脳全体に分散していることがわかった。音楽を聴く、歌う、作曲をするという行為は、脳の領域ほとんどすべてが参加し、神経の下位組織はほとんどが動員される。この事実は音楽を聴けば心の他の部分が活発に働くという主張を裏付けているのではないでしょうか?感情を呼び起こす音楽の力は、コマーシャルや映画、ドラマなどで、わたしたちの感情を操るために使われており、また母親などのやさしい歌声で、赤ちゃんを寝かしつけたり、泣いている赤ちゃんの気をそらせたりできます。(ダニエル・J・レヴィティン著 音楽好きな脳より)
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