最近耳慣れない言葉が目に入りました。新聞からの情報ですが、「食文化」は良く聞きますが「触文化」とは?【触文化が人間の豊かな想像力をつくり、新たな世界を開く】というタイトルの広瀬浩二郎さん(国立民族博物館民俗文化研究部助手)が企画されている、博物館と視覚障害者との交流のお話の抜粋です。
子ども達がPCの操作や文化的生活の中で、"手"全体を使う機会がめっきり減っていると実感する日々です。保護者の皆様はどう感じられますか?現在はインターネットを通じて、誰もが多種多様な視覚情報を入手できるようになりました。
目が見えている方には、あえて目をつぶってふれてもらう。目と違い、手でさわると点でしか情報が入って来ませんが、手のひらを上下、左右に動かすと、想像力と創造力が発揮され、点だった情報が線になり、面になります。指先に神経を集中させて、繰り返しやさしくさわる。彫刻作品などの裏と表を同時にさわることで、意外な発見があるかもしれません。
企画展で点字体験ワークショップをやりましたが、目が見えている人は普段あまり触覚を使っていないので、最初は点字をさわっても読めません。でも、特に子どもは少し練習すると、点の数が触知できるようになります。これまで使っていなかった触覚、眠っていた感覚を刺激することで何かがパッと「ひらく」瞬間があり、その時に新鮮な感動が生まれるのですね。大きくさわって「つくる」、小さくさわって「ひらく」というのが触文化の醍醐味で、この「つくる」と「ひらく」が今の教育に不足している実践知なのだと思います。(sada) |