コラム 【11月号】
● 今月のテーマ 〜江戸しぐさ〜
 「三つ心、六つしつけ、九つ言葉、十二文ふみ、十五理ことわりで末決まる」

 江戸の人々は、人間は『脳とからだと心』の三つからなっていて、互いに糸で結ばれていると考えていました。この糸をこころとしたのです。長い年月かけて人間を観察し、その結果、育ちが人格形成に大きく影響していることをつくづく感じた先達が、こういう養育法を生み出しています。言葉も行動も、あやつり人形のようにこころの糸によってコントロールされており、こころがなければ人形と同じというわけです。まだ糸が柔らかい間から始めないと固くなるといわれ、その作業は親の真っ先の仕事でした。『子は親の言うとおりにはならない。親のしたとおりになる』とも言われました。

 教えることは、熱い、冷たい、暑い、寒い、辛い、甘い、快、不快、痛い、痒い、重い、軽いなどの身体感覚から、土、草木、雨風、あまたの生き物に対する自然感覚、人、世間の動き、兄弟、仲間までのつながりなどを実験、体験させながら(オンザジョブトレーニングというのでしょうか)、まさかの天変地異に対応する技も教えたといいます。

  「身につけよう!江戸しぐさ」越川禮子著より

人間の本質を知り抜いた、正に無駄の無い教育法ですね。参りました!(sada)
リトミック豆辞典
歌うこと・・・ 子どもたちが歌を歌うまでのプロセスとして声を発してひびきの探求〜メロディーやリズムのパターン(1歳半くらい)〜短い自発的な歌〜知っているうたの一部分を歌う(2歳くらい)〜正しくは歌えなくても知っている歌を歌う(2歳半から3歳)〜歌全体をひとつづきに歌うことができるようになる)という、ひとつづきの段階になります。子どもは、自分に歌いかけられたり、話しかけられたりするなかで、歌ったり、話をすることができるようになっていく。歌うことや話すことの始まりは、子どもがどれだけまわりの人々や自分自身と関係を作っているかが大切です。
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