コラム 【12月号】
● 今月のテーマ 〜抱き締める〜
 近頃、母親が自分の子供(赤ちゃん)と、どう向きって良いか。コミニュケーションを取る手段に戸惑いを感じている、と言う話しを良く聞きます。ほんの最近まで、愛情の表現として親が我が子を抱きしめるのは、当たり前の行為と思われていたのが、どうやら近頃はそう簡単にはいかない現象も表れている様です。

 人間に係わらず多くの動物の子育ては、抱く、なめる等スキンシップが欠かせません。近代化により、あまり手をかけずに何でもできてしまう御時世は、子育てまでが機械化されつつあるのでしょうか。肌のぬくもり、手の温かさが欠落していく様です。そこであえて“抱き締める”を提唱したいと思います。

 お父さんもお母さんも、非言語コミュニケーションとして、生活の折々に1分間程の抱きしめタイムを取り入れてみませんか?赤ちゃんだけでなく大きくなった子供たちにも触れたり抱きしめることは「育てなおし」のはじめとして効果があるようです。登校拒否の子供に対しても、手足のタッチ(マッサージ)がいいようです。徐々に触れ合う事からはじめ、コミュニケーションが取れるようになるとか。

 保育士さんも、気になる母親や子供へのタッチを行い「緊張している母親の表情が柔らかくなり育児についての相談があったこと」「多動の子供が言葉では言う事を聞かなかったのが抱きしめることで落ち着いた」等が確認されているそうです。

 日本では、握手や親しい人同士の抱擁、キスといった習慣がありません。子供が成長して行くにつれ、なかなかスキンシップは取り難くなっていきます。でも時に、お母さんやお父さんに抱き締めて欲しい、触れられて欲しいと思う瞬間があるあるものです。その様な素振りがあった時躊躇せず、思いきり抱き締めてあげたいものです。「触れ合うこと、抱きしめること」の効果は、すぐに現れる(即効性)ようです。勿論状況によって異なるとは思いますが、要は自分が愛されているとしっかりた確認ができると言う事は、何よりストレートに心に響く強いサポートとなり自信へと繋がるのです。
リトミック豆辞典
 振動することが生きることだとすれば、過剰に振動することは何の役にもたたないからである。しかしリトミックはなによりもまず、個人的体験である。だからそれを説明することに重要性はない。

 私は著作のなかでわれわれの身体と精神にリズムを与えるすべての身体的、精神的動きを解説してきた。(ダルクローズ語録より)
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