コラム 【11月号】
● 今月のテーマ 〜太鼓の役割〜 癒しの太鼓
 日頃何気なく叩いている太鼓。その歴史はアフリカから出発しています。特に西アフリカは太鼓の文化が豊かな地域だそうですが、その中でも今注目を集めている“ジンベ(ジャンベ)”について興味深い話しを御紹介しましょう。

『ジンべを演奏する民族の社会では、太鼓は日常生活の、そして人間の一生のどんな場面にも必ず存在するといわれている。太鼓は自然界や精霊、祖先の魂など目に見えないものに働きかけたり、影響を及ぼす力があるといわれているので、娯楽や祭り等様々な年中行事、雨乞いや浄化の儀式、信仰にかかわる儀礼等のどの場においても欠く事のできないものである。人間の一生の節目節目の儀礼にも太鼓が演奏される事は言うまでもない。この様に人々の暮しは太鼓無しでは何も始まらないのであるが、最も興味深い役割は、何と言っても太鼓が心身の癒しのために使われている事ではなかろうか。特に癒しの太鼓を演奏する事を許されている人 マスタードラマーは、セラピストやカウンセラーや精神分析医の役目をはたすと言われているが、それはとりもなおさず、彼等の行う癒しが迷信や超自然的なものでなく、ある種科学的であり、心理学的にも理にかなっているという証しではないかと思う。マスタードラマーと呼ばれる人々は、音楽家としての訓練や経験を通して、太鼓のトーン(音の高低)やテンポやリズムが人間にどのように作用するかという事に精通しているのである。』(アフリカの太鼓で踊ろう 柳田知子 著より)

 さて、皆様はどのように考えられますか? 日頃レッスンで使用している太鼓はスティックで叩いていますが、このジャンベは手で叩きます。手で叩き出すリズムの躍動感、説得力が人々の心に大いに訴えかけるものがる事はなる程うなずけます。
リトミック豆辞典
 リトミックの練習の使命を一言でいうならば、それは秩序をうち建てること、欠陥を見出し、それを長所に変えること、必要なときは振動を行い、その振動が過剰にならないようにすることである。
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