コラム 【10月号】
● 今月のテーマ 〜身体を知る〜
 先日[音楽家なら誰でも知っておきたい体の事]アレクサンダー・テクニークとボディーマッピングと言う本を手に取る機会があり、大変興味深く感じました。

 冒頭には"身体は人類に残された最後の自然であるといわれています。自分の体についてこれだけは、音楽家でなくても、だれでも知っておきたい地図帳です"と書かれています。アレクサンダー・テクニークはそれを知る為のレッスンを指しています。それによって動作、バランス、サポート、柔軟性、協調性が自由で容易になる事を助けます。

 テクニークを実践すれば、筋感覚的感受性が高められ、演奏家のコントロールがぎこちないものでなく、流動的かつ活気のあるものになるそうです。 私もまだしっかりと理解している訳でないので、こんな御紹介の仕方で申し訳ありませんが、身体を構成している骨、関節、筋肉そして呼吸の構造がわかりやすい絵でかかれていました。

 なる程、『感情を込めて歌う様に』とか『体をかたくしないでふっと力をぬいて、やわらく?』などとレッスンの時に説明していますが、これが人間の体の構造図を頭に思い浮かべられれば、より具体的かもしれません。そして何よりも納得したのが、筋感覚(Kinesthesia)と言う言葉でした。これは語源はギリシャ語ですが、何とリトミックの創始者ダルクローズも触覚・聴覚・味覚・視覚・嗅覚・に続く「第6番目の感覚」として筋肉をあげています。脳で感じたいろいろな刺激を、いかにすばやく、正確に行動に移せるかは、筋肉の働きが大きな役割をになっているからです。

 秋の夜長、自分の体の動きの仕組みに耳をそばだててみるのも一興かもしれません。
リトミック豆辞典
 ダルクローズ・リトミック国際大会で発表された、ダルクローズの言葉 第2弾です。
はやく、またゆっくり思考すること、はやくまたゆっくり動くこと、ぴたりと動きを止めること、瞬時に指示に従うこと、一度考えてから指示に従うこと、不要な反応行動を抑制すること、などを練習しましょう。
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