コラム 【12月号】
● 今月のテーマ 〜 音の力 〜
 長野県佐久での小学生対象リトミックレクチャー全31回を終えて感じたこと。それは“音楽の力”って凄い!の一言に尽きます。小学1年生〜6年生。特別支援学級の生徒まで延べ約800名。私の演奏する打楽器の紹介に始まり、各自スティックを持って「基本奏法」をちょっぴり体験。言葉のリズムを叩いて「リズムの面白さ」に気付き、体を叩いて「アンサンブルの楽しさ」を“身“を持って経験しました。

 子ども達の反応は?といえば…大太鼓の響きにお腹を抱えて『来た?!』顔を押さえて『でか!』余韻に浸って『まだ聴こえる?』スティックを持てば大興奮。でも『意外に持ち方が難しいね』『手首使うの大変』『肩が凝った』etc. 体が楽器のボディーミュージックは、叩く部位で音がかなり違うことを発見。 しかも、『同じところ叩いても他人と音が違うんだ?』『足の音も床の場所で音が違うよ』等と研究に余念がありませんでした。45分間という限られた時間ではありましたが、今までに体験した事のない「音楽」の発見を、それぞれが持ち帰ってくれたようでした。

 特筆すべきは、一緒にやるのは初体験の支援学級の4人の子ども達が、私の指揮の下、即興で見事なリズムアンサンブルを校長先生や担任の先生達に披露した事でした。1回こっきりの、2度と同じ事は出来ない演奏でしたが、その集中力とアンサンブルを楽しんだ記憶は、肌で覚えていてくれると思っています。子ども達の嬉々とした素直な反応に、教える方の私が大感激!“音楽の力”を改めて学ばせて貰った今回のレクチャーでした。(sada)
リトミック豆辞典
すべての子どもに才能あり…幼児期は感受性が強く、感覚的に行動するので、効果的にリズムや音の感覚をつくっていけます。この時期は頭脳と身体が並行して成長しており、頭脳はいつも印象や感情を身体に伝えます。そしてリトミックの創始者ダルクローズによると「ちょうどあふれる泉が地下を流れているのと同じであり、その道を堀り開くと、その泉(才能)が流れ出るのである。教育の目的のひとつは、一人ひとりにある、それぞれのその才能を伸ばすことにある。そして、その適切な時期こそ幼児期である」と言っています。
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