コラム 【2月号】
● 今月のテーマ 〜優しい気持ち〜
 忙しく時間に流されている毎日ですが、ちょっと足を止めて、聞こえない声に耳を傾ける“とき”を持つのも大切ですね。今年は“優しい気持ち”“人間って?”を考えたいと思います。保護者の方は、大なり小なり子育てに悩んでいらっしゃると思います。以前に読んだ文章をご紹介しましょう。(朝日新聞天声人語より)

 絵本作家の永田萌さんに「ウソ泣き」という詩がある。《ウソなきしてたら/きみがトコトコやってきて/「ぼくがいるからだいじょうぶ」って言うものだから/かあさん/ウソ泣きが本泣きになっちゃった》

▼不覚の涙に、おかしくて切ない血のつながりを思う。わが子を虐待する親が絶えぬ中、東京の声欄で「母子の愛」がひとしきり話題になった。きっかけは「子どもはみな母親が大好き」という投書だ。

▼ある投稿者は、小1の次男のことを寄せた。「何か得意なものないの?」と息子を問い詰めたそうだ。「お兄ちゃんみたいに色々できないよ」泣き出した子、やっと書いたのが《ママがすきなこと》。ママは反省しきりである。

▼円満な親子ばかりではない。子への愛を自負する親ほど、縁が切れたかのような反抗期にうろたえる。そんな時、どの子も親が好きなはずと念じれば救われよう。やはり永田さんの「たまごの時代」を引きたい。

▼その詩は《大人になるちょっと前に/おとこの子もおんなの子も/固いカラのたまごの中に閉じこもる》と始まる。どんな姿で出て来るのやら、周りは気長に待つほかない。《ここらで親もひとやすみ》の結びが子育て世代に優しい。

▼母のうそ泣きに駆け寄るのも、殻に閉じこもるのも同じ子である。人生の折々に見せる違った顔は、成長の証しにほかならない。(sada)
リトミック豆辞典
心理学者のように… ダルクローズは、心理学者が心の動きや行動を分析するように、音楽概念や音楽表現のメカニズムを分析することにより、音楽の要素の本質を捉えようとしました。つまり、テンポ、拍、拍子、リズムパターン、アクセント、フレーズ、サイレンス、音楽形式、などさまざまな音楽の要素を、身体による理解により学ぶことで、音楽構成の仕組みが、より明確になると考えました。『ダルクローズに関する論文より』
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