コラム 【6月号】
● 今月のテーマ 〜learning to be〜
 パーソンという英語は日本語で人格と訳すように、人間の風格をいうことばである。ところがパーソンとは「音によって」という意味らしい。パーは「を通して」、ソンはサウンドの仲間である。つまり高潔な人格は、響きとなって、その人から発せられると考えたことばである。(異説もある)

 人間の輝きや香り。また響きを大切にすることによって、現代社会はどれほど豊かになるか。人間の豊かさなどといっていてはだまされるのがオチだという、目先の効用主義を排除してこそ、ほんとうの真義にみちた共生、共存がうまれるはずである。最近、ユネスコがかかげた教育目標のうちの最終目標は「learning to be」である。「人間としてあること」の学習は、いま全世界でもっとも必要とされる、現代人の忘れものだろう。“to be”を養うものこそ五感を超えたものである。
[日本人の忘れもの1 中西進・著 ウェッジ文庫より]

大人の、そして子どもの【人格】と言う事を考えさせられる今日この頃です。(sada)
リトミック豆辞典
リトミックと芸術・・・ 私達の身体の自然なリズムが引き起こす感覚は、リズムに対する本能を強め、リズム意識を創り出す。この本能と意識の、美的感覚への融合を通して,我々は完全な芸術的情動(心の動き)を体験することになる。芸術は我々の生命の本質的な作用と最も純粋なエネルギーからのみ生ずるものであり、 ここからこそ美の概念のすべてが生まれるものである。
(ダルクローズ リトミック論文集 より)
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