コラム 【9月号】
● 今月のテーマ 〜無題〜
 音楽を子ども達に教える必要があるのは、それが人格の形成に深くかかわっているためである - アリストテレス

 音楽はなぜ、年少期の教育に自明のものとして考えられているのだろうか。ある教育者のグループは、『乳幼児のためのすぐれた学校』という著作の中で、音楽の位置づけについて論じ、諸々の音楽活動が、楽しみや慶びや創造的な表現を与えることで情動的な成長に、聴取や聴覚的識別の技能を発達させることで知覚的な成長に、また身体的な発達や働きを促進させることで運動技能の発達に、そして声域を広げたり、発声の柔軟さを高めるよう促すことで声の成長に寄与すると述べている。

 社会的な発達における音楽の役割もまた、引き合いに出されてきた。フォスターは次のように書いている。
『音楽は。個人や集団に対して統合化の力を持っている。引っ込み思案の子どもは警戒心を緩め、より他人と参加しやすくなるし、反抗的な子どもは攻撃的でなくなるように思えるが、いずれの場合も個々人が集団に役立つ一員になるよう促されるのである。それは、すべての子どもが互いに楽しめる何かを、共同して生み出すことができるような作業である』

 乳幼児期の子どもが他人と一緒になり、共有する傾向を示すような社会的経験は、音楽遊びから始まるかもしれない。 しかし、教育における音楽の最も重要な役割はおそらく、それが子どもの生活の美的な要素に加えることができるもの、すなわち、音楽が伝達することのできる感情や印象やイメージに対する感受性を発達させることである。
《音楽的成長と発達 ドロシー・T・マクドナルド&ジェーン・M・サイモンズ共著より》

読書の秋です。子どもたちにもより良い刺激を与えてあげましょう!
リトミック豆辞典
聞く力・・・ 子どもたちの聞く力は、一つの道筋の中で発達します。音楽的要素には、メロディー・ リズム・形式があります。そこに、ハーモニーや音色、音量が付け加えられます。この中で、子どもの早い時期に、聞く力が発達するものは、音色と音量で、次にメロディーとリズム、その後にハーモニーとなります。(oka)
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