五月の風が、大地を雪と黒土でまだら模様にした。
五歳の子どもは、蝋石で地球に線を描いた。
どこまでも長く、どこまでも大きく、世界は広い。
子どもは六歳になって、六色のクレヨンをもらった。
靴の赤、空の青、つめ草の緑、たんぽぽの黄、それに白と黒。
一色足りないような気がしたが、それが何色なのかはわからない。
絵描きは、二十四色のパステルや、それ以上の数の絵の具で自由に、
無限に色が創れると信じた。宇宙は自分のキャンバスに自在に創れると。
子どもがほしかった七つめのいろは
透明なこころのいろでした
『七めの絵の具』《いせ ひでこ著 平凡社》より
*先月の『間』を考える第2弾として、行間を感じ取って頂けたら… (sada) |