皆さんご存知の「石の聖書」とも呼ばれるサグラダ・ファミリア。百年以上費やして、なお未完成のこの建物に一大ロマンを感じるのは私だけでしょうか…
およそ30年前からサグラダ・ファミリアで彫刻家として働いている外尾悦郎氏の著書「ガウディの伝言」に、この建物をアントニオ・ガウディは楽器として建築したと言う記述があります。どのようにして楽器の役目を果たすのかを、氏は以下のように話しています。
「ガウディは、音楽を非常に大事に考えました。生誕の門の四本の塔がピアノ、受難の門の四本はパイプオルガン、一万五千人を収容できる中央の礼拝堂の中ニ階には、千二百人の聖歌隊が占めるスペースもある。巨大楽器と人々の歌声が奏でるハーモニーを、ガウディは街中に響かせたかったのです。」
生誕の門の四本の塔の中には、八十四本のパイプ状の鐘を釣り下げて、ピアノのように叩いて鳴らす。鍵盤は塔の下に設置する。受難の門のオルガンは空気で鳴らす仕組みで、三百近くの音が出せる。塔の側面に空けられた窓には、それぞれ廂のようなものが張り出しているが、これは上に逃げる性質を持つ音を下、つまり街に送りだす反射板の役目を持っている。さらに、巨大楽器から鳴り響く音を、適度に消音して室内に行き渡らせる為の部屋も用意されている。
これは、最近の音響技術とぴったり一致しているとか。完成を見たい!聴きたい!ですね〜〈sada〉 |