コラム 【2月号】
● 今月のテーマ 〜 耳をすます 〜
 お正月も過ぎ普段の生活に戻った頃、テレビの番組で外国人が来日してびっくりした事、の特集をしていました。インタビューを受けたほとんどの外国人の回答が、お正月の静けさでした。花火やパレード、爆竹等の喧噪の中での新年を迎えるのとは違い、日本のお正月はそう言われてみれば静かですね。除夜の鐘の荘厳な音、神社への初詣で、お神酒を頂き破魔矢を買って、おみくじ引いて… 穏やかなお正月ですね〜

 日本の『情緒』もまんざらではないと感心して見ていましたが、さて日頃の生活の中での“音”のなんと無造作な垂れ流し… 駅での駅員のけたたましい声や電車内のアナウンス、店内のひっきりなしの音楽と案内の声、道を歩いていても聞こえるお店からの音楽etc.

 何時頃からこんなにうるさく騒がしくなってしまったのかしら…  虫の声や鳥の声、水のしたたる音や風のそよぐ音等々、日本人ならではの、聞こえるともなく聞こえる音を愛でる感性は何処へいってしまったのかしら… ふと、寂しい気持ちになりました。そして反省させられる事でもありました。

 機械(器械)音から離れ、しばし自然の音に耳をすます時間を持って、気持ちにゆとりを持たねばいけないと思った年の初めでした。                         (sada)
リトミック豆辞典
音楽を感じる…音楽とともに行う身体運動について語る時、しばしば「音楽を感じながら」と言います。これは「感情のこもった演奏」や「音楽のリズムを感じる」、また単に「音楽を感じる」などを意味します。リトミックによる経験においては、音楽によって、規定されたタイミングそしてエネルギーによって空間の中を動いていく際の身体的感覚を得ることになります。そして、タイミングの良いリタルダンドまたは旋律における上行形の連続が徐々に盛り上がるなどの、音楽的な要素も感じ取ることになります。「感じる(feer)」という単語は、感覚を通してメッセージが受信された、脳へ伝達されたということを意味します。そしてその頭脳が筋肉に対してどのように反応するかを指示します。それは、「いくつかの感覚」「神経系」「知性」「身体」「情緒」「創造性や表現力」などを活性化し統合します。
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