コラム 【11月号】
● 今月のテーマ 〜 親から引き継ぐ 〜
 昭和18年刊行の父の絵本を本棚から久しぶりに取り出してみました。
私が生まれる前ですので、勿論文字は総てカタカナ、表題も右から書いてあります。そのあとがきを読んで、私の子ども達への考えが父から譲り受けた思いなのでは、とふと思い至り感慨深いものがありました。

 子どもの気持ちは到底察して分かるものではないと思います。おおよそこんなものを与えたらよろこぶだろう位の見当では子どもに見せるものは描けないでしょう。察しても分からない以上は、自分に持ち合わせの才能を大人の俗念の中からふるいにかけて選り出してこれを描くだけが唯一の途です。私に持ち合わせの才能が本物か偽物か子どもに見せた上で、若し偽せものだったらあとは描くまいと思っています。本ものだったら子どもをよろこばすより前にまづ自分で愉しがって描くことになりましょう。この本を見てこどもがそのどちらかを感じてくれるか楽しみと怖れを半分々々に抱きながら、私は早く知りたいと待っています。『七ツノオハナシ』清水崑 著 あとがきより

子は親の背中を見て育つ。ということでしょうか…(sada)
リトミック豆辞典
ラジオ放送されたジャック=ダルクローズの談話… 私たちの生体としての状態が生み出す、あらゆる活動を、われわれは支配しなくてはなりません。できることは無限にあります。しかしわたしたちは、自分自身の力を正しく理解していないため、これらのことをやらずにいるのです。私たちの意志と、潜在能力の間に、コミュニケーションの道をつくり上げなくてはなりません。
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