コラム 【12月号】
● 今月のテーマ 〜自然のありがたさ〜
 ここのところ、軽井沢の山の家で過ごす時間が増えています。そこで感じるのは、木々に囲まれた自然の中で暮らす事の大切さ、有り難さです。空気が、匂いが美味しい!時の流れもゆったり〜

 一日中、お日様の動きで変化する、空の色や木々の色、雲の動きを見ていて、飽きる事がありません。自然ってすごいな。かなわないな。と思います。そんな自然に対する思いを作曲家・ピアニストの加古隆氏が語っています。

『いつからでしょうか。ピアノの音色が何となく心にしみなくなってきた。ピアノの職人さんに話したら -当たり前ですよ、環境破壊の影響でいい木がどんどんなくなっているんだもの- なるほどと思いました。 つまり現在の社会で起きていること、20世紀という時代が目指してきたこと、それらすべてが僕の大好きなピアノの音色をやせ細らせているんです。これは大変なことだと思った。

 木には、時がしみこんでいる。美しい音は人生の起伏を感じさせ、人の心を震わせる。その震えた心が、木や光や水を大切に思う感性の礎となる。パリでの日々で得た、これが確信です。
僕は活動家でも思想家でもない。ただ、自分が美しいと思うピアノの音色を聴きたい。それはいい木からしか生まれない。そのためには汚れのない土や水が必要になる。大きな連関のなかに、自然の一部として、僕ら人間は生きている。そう伝えるために、僕は、僕が美しいと思う音を奏で続けます』

 いよいよ、今年もあとわずか。来年は自然と向き合って、“自分”を考えてみましょうか…〈sada〉
リトミック豆辞典
集中力と豊かな表現力… 頭脳と筋肉組織間の緊密な連係、連絡を確立することによって、集中力を増し、自由な表現力を確立しようというのが、リトミック教育のひとつのねらいです。物語などを通して、摸倣活動や想像的な活動を展開します。描写的な小曲を聞いたり、ギャロップしている馬や、小さな速い動作のかわいいネズミになったりして、音楽に対する子どもたちの興味を起こします。このような摸倣活動、想像的活動から発展させて、リズムや旋律による創造的活動をおこないます。その結果、音楽を身近に感じ、楽しいものとしての興味を持ち、表現力が増してきます。
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